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西太后と溥儀の姿浮かぶ 松本で北京故宮博物院展

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 松本市立博物館で開催中の「北京故宮博物院展」(松本市、信濃毎日新聞社など主催)は22−24日の3日間で2000人近くが訪れた。中国・清朝末期、宣統帝溥儀と西太后に焦点を当てた展示は当時の政治や文化を伝え、「二人が主役の『人物展』ともいうべき性格」(監修した石橋崇雄国士舘大学教授)。展示品の一部を紹介する。
 西太后(1835−1908年)は同治帝、光緒帝の二代にわたり、摂政として実権を握った。復元された「垂簾聴政(すいれんちょうせい)の間」は、幼帝の玉座の背後に御簾(みす)を隔てて西太后の長いすが置かれている。その配置から権力構造が透けて見える。
 死を目前にした西太后は、次期皇帝にわずか3歳の溥儀を指名した。幼少時の溥儀の礼服は襟や袖など23カ所に龍を金糸で刺しゅうし、威風堂々。ただ、丈は79センチしかなく、幼い皇帝の姿が浮かぶ。幼少の溥儀が使った風呂おけは、朱色の下地に金粉で花柄を施した精巧な仕上がりだ。
 后妃たちの髪飾り「銀鍍金嵌珠五鳳鈿子(ぎんときんかんじゅごほうでんす)」は、宮廷の華やかさを伝えている。藤のつるを帽子状に編み、金糸の鳳(おおとり)12羽で彩る。糸でつないだ真珠がいくつも垂らされている。
 青玉で作られた印「皇帝の宝」は六代乾隆帝が選んだ10個の印「十宝」の一つで、清朝皇帝の強大な権力を象徴する。
 10月14日まで。入場料は高校生以上1000円。中学生以下と、障害者手帳を持っている人と付き添い一人までは無料。
【写真説明】大勢の来館者でにぎわう会場。右は復元された「垂簾聴政の間」=23日

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