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本紙連載「民が立つ」新聞協会賞 地域再生への道提示

 日本新聞協会は5日、信濃毎日新聞が2006年1月から今年6月まで朝刊1面などで展開したキャンペーン「民(たみ)が立つ」に、07年度の新聞協会賞(編集部門)を贈ると発表した。同部門には全国の新聞社、放送局から72件の応募があり、本紙報道は、地域再生への道を提示した優れたキャンペーン報道−と評価された。
 編集部門は、「ニュース」(応募14件)「写真・映像」(同13件)「企画(キャンペーン、連載、地域報道、紙面作りの工夫など)」(同45件)の3部門で選考。本紙の受賞は企画部門で、編集部門ではほかに3件が選ばれた。
 「民が立つ」は、格差、人口減、財政難など個人や地域を覆う閉塞(へいそく)感を振り払うのは「お上(かみ)」ではなく「民(たみ)」だ−との視点から、問題提起と具体的提言を重ねた。
 田中県政、小泉政権が交錯した県内現場の検証を含め161回に及んだ1面「民が立つ」と、国策に翻弄(ほんろう)された末に財政再建団体転落の危機に陥った木曽郡王滝村をルポした社会面「木曽・王滝『官』の村から」(計51回)の両連載を柱に構成。過去の自治キャンペーンで取材した人々や地域のその後を追った特集「あれから」も随時掲載した。
 授賞理由は「地域住民の取り組みなどを多角的、立体的に取材し、現状報告から具体的な問題提起、提言を重ねている」「地方の自治、自立、民主主義という普遍的なテーマに住民の目線で迫った作品」−などとし、地域再生への道を具体的に提示した点などが評価された。
 新聞協会賞は、新聞界(通信・放送を含む)全体の信頼性を高める活動の促進を目的に、優れたスクープやキャンペーンを表彰するため1957年に設けられた。編集、経営・業務、技術の3部門ある。本社の受賞は9回(10件)目で、編集関係は「ギャチュン・カン登山の報道」(64年度)「新しなの動植物記」(85年度)「介護のあした」(99年度)に続いて、4件目となる。
 授賞式は10月16日、長野市で開く第60回新聞大会式典で行う。

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「民が立つ」と「木曽・王滝『官』の村から」の連載紙面

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