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2006年10月 4日〔メディア局〕
長野市松代町の一角に今も大きな門と古い土蔵に囲まれてたたずむ八田家は、旧松代藩の屋台骨を支えた御用商人でした。本書は、八田家の現当主の母で、19歳でこの旧家に嫁いだ八田千鶴さんの人生を克明にたどった一代記です。
旧家のしきたりや伝統を守る暮らしを教え込まれた戦前。新しい家庭像を模索しながら、婦人之友社主宰の長野友の会で洋裁やお菓子作りの講師として活躍した戦後。最近は「松代」という地域の文化を次世代に伝える活動も始めています。
時代の大きなうねりを肌で感じながら、駆け抜けてきた88年の人生を通して、「伝統を守るためには変革こそが必要」ということを教えられます。A5判、228ページ、定価1890円(税込み)。