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県縦断駅伝 15チームの横顔(上)

 第54回県縦断駅伝競走(信濃毎日新聞社、長野陸協、県教委、信毎文化事業財団主催、NTT東日本長野支店、長野日産自動車協賛)は19、20日、長野市―岡谷市、松本市―飯田市の20区間218・4キロで地域の代表15チームが出場して競う。

 長野市の3連覇なるか、上伊那が3年ぶりに優勝を奪回できるか。それとも2強を脅かすチームはあるのか―。チームは昨年と同じ旧市町村を基準としたが、現在のチーム編成は今年で最後になる見込み。晩秋の信濃路を舞台に、たすきをつないで健脚を競う各チームのメンバー、戦力を紹介する。

 紹介チーム…上伊那、松本市、千曲埴科、塩尻東筑木曽、南安曇

 (チーム名の数字はナンバーカード。メンバー表は出走順で、同じ選手が2回走る場合は省略。◎が主将で、氏名、所属、年齢、出場回数の順)

【1 上伊那】3年ぶり優勝へ自信

 「戦力は昨年より充実している。怖いのは故障だけ」。有賀監督は3年ぶりの優勝に自信を見せる。昨年まで塩尻東筑木曽の戦力だった唐木正と北原英が加わり、一段と厚みが増した。
 12キロを超える7区間にに主力選手を配置。序盤にスピードのある選手を集め、先行逃げ切りを狙うチームが多い中、「4区まではトップから数分以内につけ、長距離区間で勝負する。実力は上伊那が一番。ふだんの力を出し切れば優勝できる」と有賀監督。
 チームの柱は、走りが安定している3区上島と19区羽生。パワフルでアップダウンにも強い5区大槻、最年長ながら自己記録を毎年更新している46歳のアンカー守屋も注目だ。

<推奨株>
 有賀監督が「将来のチームの柱に」と期待する萩原。昨年走った10区より5・8キロ長い9区を任される。身体能力が高く、スピードがある23歳。2月に職場を移り、走り込みは十分。万全の態勢で臨む。

<メンバー> 
 ▽監督
 有賀 友衛 59
 ▽選手
 浜  吉彦(ジェルモ)20 (2)
 増沢 真吾(信大)19 (2)
 上島 通成(NEC長野)28 (11)
 滝沢 恵美(駒ケ根市)25 (7)
 大槻  勉(ジェルモ)23 (7)
 鈴木 昌幸(ジェルモ)19 (3)
◎丸山 信一(NEC長野)33 (14)
 小林 太一(信大)21 (3)
 萩原 英雄(ジェルモ)23 (2)
 唐木 正敏(プレジール)27 (10)
 松村 博文(南信製機)29 (2)
 土橋 勇一(NEC長野)35 (15)
 小池 夏樹(小池工房)37 (1)
 松崎 雄介(駒ケ根市)25 (4)
 北原 英一(トーハツ)25 (5)
 厚地健一郎(NEC長野)41 (7)
 福沢久美子(すこやかク)39 (6)
 千葉 健太(箕輪中)15 (1)
 羽生 吉浩(養命酒)30 (15)
 守屋 智春(嬉楽Q)46 (7)
 ▽補欠
 北原  誠(アルプス精工)32 (12)
 唐木 智充(伊那北高)17 (1)
 茅原 由昭(日本ピスコ)19 (1)
 田中 秀一(トーハツ)21 (2)
 平賀 翔太(赤穂中)15 (2)
 宮沢 加奈(アンサンブル)22 (3)


【2 松本市】2日目抜け出す作戦

 1昨年まで3年連続5位、昨年は4位。「今年は各チームの力が伯仲しているので混戦になるだろう」と中垣監督。3位以内を目指す。
 最長区間となる3区は、昨年5区で区間賞を取った小林を起用。1日目はほかにも8区の丸橋、9区の星野ら、安定した走りが期待できる選手を配し、先頭集団に付いていく展開を狙う。2日目はここから抜け出していく作戦。大きなポイントとなる長距離区間15、19区を、スピードのある上条、粘りが持ち味の羽川が走る。
 5月から週3回ほど、松本市内で合同練習を重ねてきた。本番に向けてチームの調子は上がっているといい、中垣監督は「本来の実力を発揮できそうだ」と話した。

<推奨株>
 初出場だが、県外の大学院に進学予定の上条晃にとって、最後の県縦断駅伝になりそう。9月からの走り込みで調子も上々。「下りをうまく使ってコースを攻略し、悔いのないレースにしたい」と上条。

<メンバー> 
 ▽監督
 中垣 沢二 56
 ▽選手
 秋山 竜太(信大)21 (1)
 塩原  大(松商学園高)16 (2)
 小林 正典(ヤマトヤTC)25 (8)
 上条 智子(山辺中)13 (1)
 関  喜明(陸上自衛隊)28 (6)
 兼田 一彦(陸上自衛隊)34 (13)
 手塚 道夫(陸上自衛隊)32 (11)
 丸橋 雄一(陸上自衛隊)31 (5)
 星野 友則(陸上自衛隊)26 (7)
 冨永 浩一(丘中教)35 (18)
 栗林 克也(中部電力)28 (1)
 有賀  健(松本市陸協)19 (1)
 石田  等(陸上自衛隊)31 (10)
 伊藤 直樹(松商学園高)17 (1)
 上条 晃良(信大)21 (1)
 太田 智也(松本深志高)17 (1)
 青木明日香(菅野中)13 (1)
 牛越 晴生(開成中)15 (3)
 羽川 英一(アルプス技研)25 (1)
 柴田 拓哉(信大)19 (4)
 ▽補欠
◎滝沢 章裕(安曇電設)37 (13)
 酒井 宏晃(松本署)27 (11)
 細田 篤樹(森永乳業)22 (5)
 山本 昌希(長野高専)17 (1)
 清水 友哉(菅野中)14 (1)
 佐藤 志穂(信大)19 (1)


【3 千曲埴科】実力派集め前半重視
 1日目の目標タイムを昨年実績より13分短く設定。「実力派選手を前半に集め、先手必勝でチームが流れに乗るようにした」と、原山監督は意図を説明する。
 成長株佐藤に1区を任せ、2区を宮入研がつなぐ。最長3区は昨年同区間2位のエース利根川。例年順位を落とす7区には好調な野沢、8区に上りに強い主将中沢を起用し、前半で“貯金”を稼ぐ展開を狙う。
 若手中心の2日目だが、ポイントとなる15、19区は利根川とベテラン青木が走る。同監督は「若手には失敗を恐れぬ走りを期待したい」と話す。
 着実な高校生、好調な大学組と、昨年より戦力の底上げができた。前回8位からの大幅な成績アップが目標だ。

<推奨株>
 受験のため「走りたいのを我慢して」前回欠場した1区の佐藤。うっぷんを晴らすかのように練習を意欲的にこなし、記録を伸ばしている。「今や準エース田中と同等の力」と監督の期待も大きい。

<メンバー> 
 ▽監督
 原山 親二 41
 ▽選手
 佐藤 隆史(信大)19 (3)
 宮入 研聡(篠ノ井高)16 (3)
 利根川裕雄(丸善食品)34 (16)
 永井 瑞希(東北大)20 (5)
 田中 章浩(長野電子)24 (2)
 大屋 光司(長野工高)17 (4)
 野沢 文平(富山大)22 (6)
◎中沢 忠光(アルプスツール)30 (16)
 木村 貴峰(屋代南高教)33 (8)
 栗原 泉生(御所苑)26 (8)
 竹内  務(千曲署)41 (17)
 村沢 智啓(長野高専)18 (5)
 浅田 一貴(篠ノ井高)16 (1)
 小野 剛史(しなの鉄道)25 (9)
 宮入遼太朗(丸子実高)15 (1)
 松本 和子(更埴西中)14 (1)
 荒井 将希(戸倉上山田中)15 (2)
 青木 智洋(メタテクノ)35 (20)
 新井 啓太(日精樹脂)25 (4)
 ▽補欠
 久保  仁(飯島工業所)45 (18)
 飛田  茂(田口印刷)37 (5)
 諏訪 琢真(戸倉上山田中)13 (1)
 萩原 麻台(更埴西中)14 (1)


4 塩尻東筑木曽】総合力で奮起に期待

 昨年は過去最高の3位と健闘。ただ、2日目最長の19区で区間3位と活躍した北原ら出場2選手が他チームへ転出し、今年は戦力ダウンが否めない。「総合力でカバーする」と、荒崎監督は選手の奮起に期待をかける。
 1日目で上位に食らいつき、2日目で勝負するレース展開を想定。2日目スタートの12区に村沢大、15区に青柳と、力のある大学1年生コンビを起用。19区には、大学時代に箱根駅伝を走った大村を配した。1日目の1区は安定感のある杉山。最長の3区はエース松野で固めた。
 大会1週間前に記録会を行い、ぎりぎりまで各選手の調子を見極めた。荒崎監督は「力を出し切り、自分たちのレースに徹する」と意気込む。

<推奨株>
 松本県ケ丘高から今春、中大に進み、県縦断駅伝で初めて10キロ以上の区間を走る青柳。チーム随一のスピードが武器で、持久力がかぎになる。「経験を積み、箱根駅伝を目指してほしい」と荒崎監督。

<メンバー> 
 ▽監督
 荒崎 幸一 50
 ▽選手
 杉山 史良(楢川小教員)27 (6)
 藤江 遼己(長野高専)17 (1)
 松野 淳司(郵便局職員)33 (5)
 角屋 有希(木曽高)16 (4)
 鳥羽 一彦(東洋計器)41 (20)
 小林  優(エプソン)27 (1)
 塩原 克仁(北陽建設)31 (8)
 武居 康太(木曽高)17 (3)
 村上 真也(自営業)33 (17)
 遠藤 昇平(松商学園高)17 (1)
 武井  学(富士電機)36 (2)
 村沢 大輔(静岡大)18 (4)
 中島 晶貴(木曽高)16 (1)
 村沢 陽介(松本深志高)17 (1)
 青柳 和也(中央大)19 (5)
 舞原 優貴(城西国際大)19 (2)
 五味寿美子(プロセス情報)42 (1)
 村沢 明伸(楢川中)14 (2)
◎大村一(塩尻市役所)26 (10)
 武居 竹生(大桑中教)49 (14)
 ▽補欠
 中村 俊樹(郵便局職員)21 (3)
 荒井  弘(エプソン)51 (32)
 増田 和久(塩尻市役所)34 (16)
 家高 勝由(関西電力)53 (18)
 村上剛(鉢盛中)15 (1)
 春日みゆき(丘中)15 (1)


【5 南安曇】2本柱で序盤に勝負

 昨年まで全諏訪で活躍した和田が転勤のため加入。中村祐との二本柱に勝負どころとみる区間を託す。中高生ら若手も伸びており、青柳監督代行は「12年ぶりの総合一けたを狙う」と意気込む。
 1区は昨年5位に入った中村祐。スピードのある臼居を2区、和田を3区に据え、序盤でレースの流れをつかむ作戦だ。課題の峠越えとなる8、9区は、トライアスロン経験の長い大内、持久力のある金田を起用する。
 2日目も中村祐でスタート。経験の浅い浅川、鹿川がうまくつなぎ、小穴、太田ら力のある選手が控える後半に持ち込みたい。総合10位の昨年は20区間中12で区間順位が二けたにとどまったが、青柳監督代行は「個々の力は昨年以上」と話す。

<推奨株>
 市町村合併に伴う暫定措置で、松本市に合併した旧奈川村から出場する奥原。南安曇で出るのは最後になる可能性がある。「今回の主役は奥原」と言う青柳監督代行は「意気に感じた走りに期待する」。

<メンバー> 
 ▽監督
 三沢 寿昭 65
 ▽選手
◎中村 祐紀(松本大)20 (5)
 臼居優(松本深志高)16 (3)
 和田 泰正(八十二銀行)36 (17)
 松岡 宏美(三郷中)15 (2)
 杉村 政徳(GAC)34 (13)
 古川 隆之(SEID)30 (5)
 高木 一裕(長野高専)17 (1)
 大内 直樹(松本市役所)30 (4)
 金田 哲生(GAC)31 (2)
 高嶋  学(有明高原寮)34 (6)
 百瀬 州一(岩見)41 (7)
 浅川  健(東京学芸大)19 (4)
 鹿川 彰文(県ケ丘高)17 (4)
 奥原 将由(奈川山菜)34 (7)
 小穴智恵美(小穴工業)30 (7)
 太田 清史(穂高西中)15 (2)
 丸山 純一(寿建設)29 (9)
 ▽補欠
 青柳  勲(安曇野市役所)44 (22)
 川瀬  勝(サカタのタネ)24 (7)
 酒井  晃(ヤンマー農機)31 (8)
 高橋 元希(穂高西中)14 (1)
 中村 美咲(松商学園高)16 (4)

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