第89回全国高校野球選手権大会第2日は9日、甲子園球場で1回戦を行い、県代表の松商学園は3−9で近江(滋賀)に敗れ、7年ぶりの初戦突破はならなかった。近江のほか、今治西(愛媛)仙台育英(宮城)智弁学園(奈良)が2回戦へ進んだ。
松商学園はエース田中が立ち上がりから失点を重ね、苦しい試合を強いられた。3点を追う四回、一死二塁から田中の右前打で1点を返し、さらに二死二、三塁から島田の左前打などでいったんは同点に追いついたが、その直後の守備で3失点。五回にもエラーをきっかけに2点を失うなど中盤で点差を広げられた。
今治西は、集中打で五、六回に大量点を挙げ、八代東(熊本)に12−1と圧勝した。
仙台育英は、佐藤由が毎回の17三振を奪う力投を見せて智弁和歌山(和歌山)を4−2で下した。
智弁学園は関本が2本の3点本塁打を放ち、尽誠学園(香川)に12−2で大勝した。
<同点直後に失点 流れ呼べず>
近江の継投パターンを崩すためにも松商学園がどうしても欲しかった先取点。だが一回、最も警戒していた4番川村の適時打により近江に奪われた。
一回二死二塁。一塁が空いていたため、ベンチは「歩かせてもいいから際どいところを突いていけ」の指示。丸山慎はアウトコースにミットを構えたが、0−2からの3球目は真ん中寄りに入った。田中は「二死だったので、四球でもいいくらいの余裕を持っていたが…」と、序盤の流れを左右した1球を悔やんだ。
その後、松商学園はなかなか波に乗れない。二回は小原、田中の連打と死球で一死満塁としながら後続が凡退。先頭藤森が左前打で出塁した三回は、強攻策が裏目に出て投ゴロ併殺で逸機した。直後の守りで再び川村にソロ本塁打を浴びるなど、序盤の流れは最悪だった。
小尾監督が試合のターニングポイントに挙げたのは、同点とした直後の四回の守備。ここを0点で切り抜ければ一気に流れを引き寄せることができた大事なイニングだったが、2本の単打と死球などで再び一死満塁のピンチに立たされた。中前に抜けそうな打球を奥野が好捕したものの、併殺崩れで1点を勝ち越され、直後の一、三塁から山田に2点二塁打を浴びた。
小尾監督は「同点に追いつき、『さあ、これから』という時の失点。ダメージが大きかった」。結果的に投手交代が遅れた点も反省し、「3−4で競り合ったままだったら勝負は分からなかった」と展開を悔やんだ。
先発左腕から3点を奪うことには成功したが、近江の自在の投手リレーに対し、追加点はなかった。出場回数で単独トップとなり、注目を集めた34度目の夏。節目となる大会を勝利で飾ることはできなかった。
(中村恵一郎)
【写真説明】松商学園―近江 4回表松商学園2死二、三塁、島田の左前適時打が失策を誘い同点となる。投手野口、捕手堀=甲子園