第89回全国高校野球選手権長野大会(14−28日・松本市営球場ほか)は松商学園が2年ぶりに優勝し、全国最多となる34度目の夏の甲子園出場を決めた。
松商学園は高い攻撃力を生かして96チームの頂点に立った。準決勝までの5試合は2けた安打。3点を追う展開となった決勝でも、中盤に集中打で一挙5点を奪い、形勢を逆転した。2年前のチームのような長打力はないものの、軸のぶれない打撃で打線をつないだ。
昨秋の大会後に投手に転向した右腕田中の成長ぶりにも目を見張った。春季県大会で佐久長聖と上田西に打ち込まれた反省を生かし、短期間で球速と制球力を向上させた。持ち前の負けん気の強さでピンチを乗り切り、チームを勝利に導いた。
レギュラーのうち5人が1、2年生で、中心は松本南シニア時代の2年前に全国優勝経験がある2年生だ。この2年生が入学した時から3年計画でチームづくりを進めてきた小尾監督は、来年を「完成期」と位置づけていた。それが1年早い段階で甲子園出場。小尾監督は「2年生が決勝の雰囲気を味わえた。さらに甲子園まで経験できるのは大きい」と喜んだ。
長野の活躍も大会を盛り上げた。有力私立校を次々と下して39年ぶりの決勝進出。好球を逃さずコンパクトに振り抜く打撃と、好機を迎えた時の集中力が躍進の要因だった。最後は投手陣が力尽き、45年ぶりの甲子園出場にはあと一歩及ばなかったが、公立校の選手や指導者を奮い立たせる活躍だった。
創造学園大付、上田西など、投手力を備えたチームが上位に勝ち残ったのも大会の特徴だった。例年より好投手が多く、今季から低反発球が導入された影響も少なからずあったと思われるが、各校とも打撃の力強さに欠ける印象を受けた。今大会の本塁打数は、昨年より7本少ない24本(うちランニング本塁打8本)だった。
終盤戦は接戦が多かったが、全体的にはコールドゲームの多さが目立った。部員数の偏りとともに、各校の戦力差が広がる傾向にありそうだ。
(中村恵一郎)