岡谷市は19日、年に1度の総合防災訓練を同市南宮の市民総合体育館駐車場を主会場に開いた。土石流による死者8人が市内で発生した7月豪雨災害以降初めてで、市民や消防団員ら約1000人が参加。災害現場からの情報が伝わりにくいなどの反省点を踏まえ、正確な情報収集と伝達を重視して実施した。
降り続く雨で同体育館近くを流れる横河川の堤防が決壊した、と想定。市役所に設けた災害対策本部は午前7時10分、決壊の兆候の段階で防災行政無線や広報車で近隣住民に避難を指示した。
現地に配置された市職員は、被害状況を携帯電話で本部に報告。本部職員は危険個所や通行止めの情報を地図に書き込んで整理しながら、現地の職員に駐車場まで住民の避難を誘導する経路を指示した。
駐車場では、消防団員や市職員は土のう作りと設置を訓練。地元住民は消火器やバケツリレーで初期消火を体験した。
講評した陸上自衛隊松本駐屯地の利根政彦広報室長は「普段一緒に活動しない人の連携が鍵。今回はうまくできたが、災害の際も同様にできるように備えの意識を忘れずに」と助言した。
【写真説明】岡谷市の総合防災訓練でバケツをリレーして消火する市民ら=岡谷市民総合体育館駐車場