信濃毎日新聞ニュース特集

大雨被害

土石流防止は谷の上部で間伐を 信大教授が諏訪で講演
2006年11月17日(10:02)

 諏訪地方の林業関係者らでつくる伊那谷流域林業活性化諏訪地区協議会(事務局・県諏訪地方事務所)は16日、災害に強い森林づくりをテーマにした講演会を諏訪市文化センターで開いた。信大農学部の北原曜教授(治山学)が、7月豪雨で土石流が発生した岡谷市内などの山林を例にした土石流防止策を森林整備の視点から話した。
 北原教授は、最終的には数万立方メートルに膨れ上がる土石流の土砂量も、発生地点では数百立方メートルにすぎない―と説明。「崩落が発生しても小さいうちに食い止められるように、特に谷の上部で間伐を進め、根や幹の太い木を育てるべきだ」と強調した。
 また、今回の災害では山林に放置されていた間伐材が、土石流に巻き込まれて下流に押し寄せたことも指摘した。「搬出費用や手間がかかることは分かるが、切ったままにしておくのは絶対にやめてほしい」と訴え、間伐材を現地の傾斜地で表土流出を防ぐための柵として使う方法を紹介した。
 講演会には、岡谷市湊など被災地の住民を含め約120人が集まった。


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