信濃毎日新聞ニュース特集

大雨被害

土石流被害の樹木を手当て 岡谷市湊の神社で住民ら
2006年10月11日(10:30)
06101104.jpg

 7月豪雨災害で土石流に襲われた岡谷市湊3の船魂(ふなたま)神社で7日、地元住民約50人が、土石流で傷ついたシダレザクラや杉など境内に残る樹木の手当てをした。本殿や境内にあった樹木の約半数が流されたが、立ち木によって「土石流の勢いが弱められた」とする声は地元に多い。住民たちは感謝の気持ちを込めながら、一生懸命に作業した。
 境内に残った樹木は約30本。このうち市天然記念物で樹齢約110年とされるシダレザクラ1本は、土石流で倒れた木によって枝の一部が折れた。住民たちは、事前に診断してもらった樹木医の指導カルテを基に、木々の根元に残った粘土状の土砂をくわで取り除いたり、樹皮がむけた幹に薬を塗ったりした。
 参加した60代の男性は、神社から少し下にある自宅が土石流で大きく壊れたが、「神社の木々がなかったら、家ごと流されていたかもしれない」と振り返った。地元町内会の花岡宏会長は「初詣でや春の夜桜見物など地域に親しまれた神社だけに被災のショックは大きかった。でも、来春のシダレザクラの開花を楽しみにしたい」と話していた。
【写真説明】船魂神社境内の樹木の根元に残った土砂を取り除く地元住民たち


<前の記事 大雨被害 トップ 次の記事>

掲載中の記事・写真・イラストの無断転用を禁じます。
Copyright© 信濃毎日新聞 The Shinano Mainichi Shimbun