信濃毎日新聞ニュース特集

大雨被害

岡谷の避難勧告をすべて解除 災害発生から14日目で
2006年8月 1日(09:12)

 岡谷市災害対策本部は31日、土石流で被災した同市湊の小田井沢川下流の114世帯約270人に出している避難勧告を、8月1日午前7時に解除することを決めた。31日午前7時には、八重場沢川下流の23世帯77人への避難勧告を解除しており、これで市内の避難勧告地域は災害発生から14日目で、すべてなくなる。
 対策本部長の林新一郎市長は記者会見で、解除の理由について、現場上部で2次災害を防ぐための大型土のうや土石流センサーの設置が終わったためと説明。さらに、林市長や県砂防チーム職員らが同日、現場上部を踏査した結果「亀裂など崩落の前兆はなく、現時点での安全は確保されている」と判断した。
 ただ、小田井沢川上流の一部に倒木が積み重なったままの場所があるため、林市長は「県に撤去などの対策を求めている」と述べた。
 一方、上田市で行方不明となっている新聞配達員小林正子さん(57)の捜索は31日、産川を中心に午後2時まで続いたが発見できなかった。上田署は1日以降、捜索態勢は取らず同署と上田広域消防本部が通常業務の中でパトロールや情報収集する方針を決めた。
 19日の事故発生から13日間、捜索には地元住民や新聞販売店社員らを含め延べ2500人が参加。小林さんのナイロン製ジャンパー、携帯電話、新聞を包んでいた布などが見つかった。
 新聞販売店営業所を営む夫の達(とおる)さん(61)は「(警察と消防の)ほかの業務に支障が出てはいけないので仕方ない」としつつ「早く帰ってきてほしい」と話した。
 また、上伊那郡箕輪町松島の天竜川堤防決壊現場では31日、緊急復旧工事が完了した。決壊した場所に大型コンクリートブロック約3000個、土のう約500個を積み上げ、決壊した堤防から約30メートル陸側に、土を高さ約1・5メートル、長さ約220メートル盛ってアスファルトなどで表面を固めた。
 国土交通省天竜川上流河川事務所(駒ケ根市)は今後、専門家による決壊原因調査を行い、早ければ10月にも堤防建設工事を始める。


<前の記事 大雨被害 トップ 次の記事>

掲載中の記事・写真・イラストの無断転用を禁じます。
Copyright© 信濃毎日新聞 The Shinano Mainichi Shimbun