松本市の菅谷昭市長は28日、豪雨で被害を受けた同市安曇の徳沢―横尾間の登山道を視察した。現地で上高地の旅館や北アルプス南部の山小屋経営者らが、安全な登山道確保などを要望。同市長は、応急的な措置に早急に取り組むとともに、関係機関への働き掛けを地元とともに強めたいとの考えを示した。
藤沢繁雄上高地町会長(65)らの案内で、梓川護岸の被害や山側の土砂崩落があった登山道などを見て回った。一部、徳沢―明神間も視察。徳沢園で藤沢町会長らが、安全な登山道確保のほか、護岸工事の推進と土砂搬出作業の充実を求める要望書を手渡した。
沢沿いの道が増水で削られるなど、豪雨による登山道被害は北アの各地で発生。山小屋関係者らが迂回(うかい)路を付けたり、仮復旧したりしている。上高地から槍・穂高連峰へ向かう主要ルートでもある梓川左岸の徳沢―横尾間も被害がひどく、一時は右岸の治山用林道に登山者を誘導していた。
【写真説明】登山道の豪雨被害個所を視察し、徳沢で地元関係者の話を聞く菅谷松本市長(手前右)