信濃毎日新聞ニュース特集

大雨被害

県の独自支援 知事、先送りの方向
2006年7月24日(09:00)

 田中知事は23日夕、長野市内で開いた支持者との集会で、豪雨被災地に対し県独自に緊急の財政支援を行うとした方針について、「私が決裁権者なので、地域の団体に支出すると、公職選挙法の(選挙)期間中なので限りなくグレーなんじゃないか、という意見が(庁内で)出てきた」と述べ、先送りする意向を明らかにした。
 知事は22日、「寄付金や補助金は分配に時間がかかる。緊急にお金を渡すことで何倍にも生きる」などとし、財政支援について被災市町村の首長と相談する考えを表明した。県関係者によると、庁内で23日、知事に「県費を受け取った側の投票行動に影響を及ぼしかねない」といった意見があったという。
 県の財政支援方針をめぐっては青山篤司出納長がこの日午前に県庁で記者会見し、「すぐに(財政支援する)というのは訂正したい」と説明。「(県が)災害救助法を適用した(岡谷市、諏訪市、諏訪郡下諏訪町の)3市町の被害把握に努めており、それに基づく救助費用の算定が事務的には先」とした。
 その上で「集落の立ち直りのため、コモンズ支援金の利用は十分に考えられる」とし、市町村や自治会などから集会所や水路の復旧などに支援要請があれば「積極対応を考えたい」と述べた。
 同法を適用していない上伊那郡辰野町への財政支援は、取材に対し「現時点で決まった形のものはない」と話した。


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