信濃毎日新聞ニュース特集

大雨被害

岡谷で530人に避難指示 避難住民再び移動
2006年7月21日(14:34)
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 県内は21日、梅雨前線北上に伴い、中南部を中心に再び大雨となった。豪雨災害で死者7人、行方不明者1人が出ている岡谷市で2次災害の恐れが出て捜索活動を中断。上伊那郡辰野町と上田市では同日朝から、行方不明者の捜索活動を継続した。岡谷市湊地区では山の斜面が動いた−との目撃情報があり、避難場所となっている中学校の避難住民が別の避難所に移動するなどしている。
 岡谷市災害対策本部によると、土石流発生現場で、徹夜で続いていた同市湊3の花岡滋さん(75)の捜索活動は21日午前4時、雨が強くなり、2次災害の恐れで中断した。また、同日午前9時ごろ、同市湊1の秋葉山と呼ばれる中央道に沿った山の斜面が動いた−との目撃情報が現場にいた市職員からあり、同9時43分、付近の188世帯約530人に避難指示を出した。
 対象地区には土石流被災者の避難場所の岡谷南部中学校も含まれ、同中への避難住民66人を含む地区の全住民が釜口水門の北側の小学校や公民館などに避難した。
 一方、諏訪市災害対策本部は同日午前、土砂崩れなどの恐れがあるとして、同市湖南の北真志野地区の445世帯、1266人、同市湖南の大熊地区を流れる唐沢川の周辺住民53世帯にそれぞれ避難勧告を出した。
 諏訪郡下諏訪町災害対策本部も同日午前、土砂崩落の恐れがあるとして北高木と西高木地区の一部計150世帯、砥川の護岸の浸食が進んでいる東町上の一部などに避難勧告を出した。
 辰野町では同日朝から同町小野の小沢矩子さん(67)の捜索を消防署員ら135人態勢で再開。小横川川で不明の辰野中2年根橋清香さん(13)の捜索は、約80人態勢で進めている。
 上田市手塚の産川で19日朝、軽自動車で新聞配達中に川沿いの市道の陥没個所から車ごと転落したとみられる同市新町、新聞配達員小林正子さん(57)の捜索は同日朝、降雨で増水し危険があり、当初予定の90人態勢を縮小し、上田署員10人が続けた。
 このほか、塩尻市贄川では同日までに、山口誠一郎さん(61)らの住宅4棟が土砂に埋まっているのが見つかった。住民は避難しており無事だった。佐久市春日竹の城では同日午前、民家の裏山が崩れ2世帯計4人が近くの公民館に避難した。
 高速道は同日正午現在、長野道塩尻インター−中央道諏訪インター、駒ケ根インター間が土砂崩落などで全面通行止め。
 長野地方気象台によると、県内の雨のピークは同日昼前に越えたが、各地で地盤が緩み、引き続き災害発生の恐れがある。


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