信濃毎日新聞ニュース特集

大雨被害

長時間の孤立・断水 中信の避難所
2006年7月21日(10:53)
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 梅雨前線による豪雨により、中信地方では19日から20日にかけて、各地の住民が避難所などで一夜を明かした。地域によっては新たに土石流などの被害が見つかったほか、水道の断水も長引き、雨の影響は終日続いた。
 木曽町日義の神谷地区では、国道361号が下村集落の両側で土砂にふさがれ、車両が集落に出入りできない状態が続いた。町は19日夕、下村集落の8世帯25人全員を町日義公民館などに避難させ、神谷地区全体で34人が避難した。
 20日、下村集落の7人が一時帰宅。4人で避難している熊谷早苗さん(53)は、自宅に残していた犬を散歩させながら「こんなに長い時間、孤立するのは初めて」。午後4時には、国道19号から同集落まで通行止めが解除になった。
 塩尻市楢川支所によると、同市奈良井と贄川の102世帯243人が、楢川小学校などに設けた5カ所の避難所で一夜を明かした。ほとんどの住民が朝までに帰宅した。
 山形村では、唐沢川の護岸に亀裂が見つかり、流域の13世帯19人が19日夜から20日朝にかけて村内2カ所に自主避難。松本市入山辺の市林業センターにも19日夜、上手(わで)町町会の3世帯7人が避難した。
 大町市美麻片岡では20日朝、土石流が市道や畑を覆っているのが見つかった。近くの5世帯が一時孤立したが、無事だった。市は現場を迂回(うかい)する歩道を確保した。
 同市梓川地区では20日、全約3300世帯で断水が午後まで続き、市は支所など10カ所に給水所を設けた。梓川梓の会社役員の男性(50)は、自宅のトイレ用に、ためておいた雨水を使ったという。「ご飯が炊けないし、食器も洗えない」といら立ちをみせていた。
【写真説明】水道が断水した松本市梓川地区。住民がポットなどを手に給水車前に集まった=20日午前10時40分、梓川アカデミア館


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