信濃毎日新聞ニュース特集

大雨被害

各地の被害 東北信
2006年7月20日(10:37)

<上小>
06072011.jpg 上田小県地方では上田市手塚で産川沿いの市道が陥没、新聞配達員の女性1人が行方不明となったほか、長和町では橋脚が沈んで橋が折れた。
 長和町では依田川が増水。和田地域の中村橋は、川底が激流で削られ、中央の橋脚が沈降。橋がへこむように折れ曲がった。町は堤防決壊の恐れが出たことから、和田地域を中心に264戸、728人に避難勧告。約100人が和田コミュニティーセンターや公民館に一時避難した。
 東御市も土砂崩落や倒木の危険性から北御牧地区の7世帯に避難勧告。上田市仁古田では自治会が約20世帯に自主避難を呼び掛けた。勧告はいずれも解除された。
 長和町内では約10戸が床上、床下浸水した。
 道路被害は、東御市の県道真田東部線、県道東部望月線、長和町の国道152号が、土砂崩落や倒木で不通になるなど、事前規制を含め計10数カ所が通行止めに。復旧作業が行われた。
 しなの鉄道は、西上田―テクノさかき駅間で線路脇の水路から水があふれたため徐行運転し、13本が運休、部分運休。午後零時半ごろからほぼ平常運行に戻った。
【写真説明】産川から引き上げられた軽自動車。ナンバーから新聞配達員小林正子さんの車と確認=19日午後4時10分、上田市手塚

<佐久>
06072012.jpg 佐久地方ではJR小海線が全線で始発から運転を見合わせた。通学が困難なため、高校は岩村田、軽井沢を除く10校が臨時休校した。千曲バスが代替輸送したが、通勤の足は乱れた。
 道路は上信越道小諸インター―更埴ジャンクション間、佐久―松井田妙義間のほか、群馬県側の雨量規制などで県境付近の国道18号、254号、県道も半日余り通行止めになった。佐久市内のスーパーでは商品の入荷が遅れ、弁当類が昼食時間帯に間に合わなかった。佐久浅間農協では野菜の出荷が大幅に遅れた。
 小諸市大久保の県道諏訪白樺湖小諸線は、未明に2カ所で土砂が押し出し通行止めに。市内の5軒が床下浸水した。小海町小海の町道ものり面崩落で通行止め。佐久市布施抜井では民家裏の石垣が崩れ始め、2世帯6人が自主避難した。
【写真説明】立科町茂田井の牧場。裏山の斜面から水が流れ出し、土のうで牛舎に入るのを防いだ

<北信>
06072022.jpg 長野市は18日夜、犀川が増水したため大岡下大岡地区の7世帯16人に避難勧告。19日朝には山村留学生が滞在する大岡農村文化交流センターの裏山が崩れ、児童生徒ら19人が自主避難した。
 同市篠ノ井布施五明では岡田川の水があふれ、近くの市営住宅4棟が床下浸水。同市北尾張部でも北八幡川が増水し、5戸が床下浸水の被害を受けた。市内5つの小中学校が通学路の冠水などで休校となった。
 中野市の災害対策本部は、19日午前6時半に上今井の25戸86人、午前7時に替佐の17戸56人に避難を勧告。千曲川は午前8時、立ケ花観測所で危険水位(8・6メートル)を超える8・63メートルに到達。「秋は何度か千曲川の洪水を経験したが、梅雨では初めて」と、上今井の神田尚志区長(67)。
 須坂市や小布施町、長野市の千曲川河川敷ではリンゴ、モモなどの果樹園が冠水。リンゴ畑20アールが水に漬かった長野市赤沼の農業男性(61)は「これでは売り物にならない」と肩を落とした。
 須坂市では、相之島のプラスチック加工工場が床上浸水し、北相之島と小島の民家3軒が床下浸水した。
 飯山市では19日午後になっても水位が上がり続け、千曲川の大倉崎観測所では午後3時、11・52メートルに達した。常郷では、今井川が千曲川との合流部分で午前9時40分ごろからあふれ、付近の住宅など計6棟が床下浸水した。
【写真説明・下】橋のすぐ下まで増水した千曲川=飯山市の柏尾橋


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