信濃毎日新聞ニュース特集

大雨被害

岡谷で5人死亡3人行方不明 災害救助法を適用
2006年7月20日(09:48)
06072001.jpg

 梅雨前線の活発化に伴う豪雨で土石流などが発生した岡谷市では、20日午前1時までに計5人の死亡が確認され、3人が行方不明となっている。上伊那郡辰野町でも中学生が鉄砲水に巻き込まれて行方不明となり、同町と上田市の行方不明者は計3人となった。諏訪湖は水位が上がって流入河川が逆流し、周辺の広い範囲で冠水。災害派遣要請を受けた自衛隊が岡谷市などに出動した。県は同夜、岡谷市、諏訪市、諏訪郡下諏訪町に災害救助法の適用を決めた。
 岡谷市によると、湊地区で土石流が発生したのは19日午前4時半ごろ。男性4人が遺体で見つかり、男性2人、女性1人が行方不明。消防団員として警戒に当たったり、近くの畑の様子を見に行ったりして、巻き込まれたらしい。
 また、県警などによると、午後5時ごろ辰野町伊那富の小横川川で、父親と川の様子を見に行った辰野中2年の女子生徒が鉄砲水に流され、行方不明となった。父親も病院に運ばれた。同町小野飯沼で住宅の裏山が崩れて行方不明になった女性と、上田市手塚の産川(さんがわ)で市道の陥没個所から転落したとみられる同市新町の新聞配達員女性の行方も分かっていない。
 上伊那郡箕輪町松島の天竜川右岸で発生した決壊は幅約200メートルに広がっている。県危機管理局などによると、岡谷市川岸地区や箕輪町松島地区の住民らは19日夜も避難所で過ごした。午後8時現在、各地で避難しているのは約2400人。
 JRは中央東線、中央西線などは終日運休。中央道岡谷ジャンクション―伊北インター間で土砂崩落などが発生、20日午前1時現在、諏訪―駒ケ根間や長野道岡谷ジャンクション―松本インターが通行止め。
【写真説明】土砂や倒木の交じった濁流が通り、複数の家屋が損壊した岡谷市湊地区の土石流現場=19日午後1時53分


<前の記事 大雨被害 トップ 次の記事>

掲載中の記事・写真・イラストの無断転用を禁じます。
Copyright© 信濃毎日新聞 The Shinano Mainichi Shimbun