梅雨前線の活発化による豪雨で、18日から19日午前にかけて岡谷市で土石流が発生し、上伊那郡箕輪町の天竜川右岸が決壊した。岡谷市などによると、同日正午現在、同市では土石流などで複数の住宅が倒壊して6人が行方不明になり、うち1人が遺体で見つかった。県警などによると、ほかに上田市で1人、上伊那郡辰野町で1人が行方不明になっている。
同郡箕輪町役場によると、同日午前、同町松島の天竜川右岸で堤防道路が幅100メートルにわたり決壊、同日午前10時現在、あふれた水が住宅地近くまで迫っている。
県によると、同日午前11時現在、同町、伊那市、同郡南箕輪村の合わせて1万人以上に避難指示と避難勧告が出され、2200人以上が公民館などの避難所に避難している。このほか、高速道や鉄道なども各地で寸断している。
岡谷市や岡谷署によると、同日午前5時すぎ、同市湊3で土石流が発生、相当数の住宅が被害を受けた。同日午前11時半現在、花岡孝明さん(75)と妻さと子さん(70)、花岡滋さん(75)、湊2の小口清晴さん(77)と息子の計5人が行方不明。また、同日午前4時40分ごろ、同市川岸東2で鉄砲水が発生、住宅4棟が巻き込まれ、林孝幸さん(75)の行方が分からなくなった。同日正午前に遺体が見つかり、岡谷市によると、林さんと確認された。
また、辰野町小野飯沼では午前10時10分ごろ、住宅地裏山が崩れ住宅2棟に流入、小沢矩子さん(67)が行方不明になった。
岡谷市では、土砂災害が発生した地域など市内5カ所で避難勧告を出し、自主避難を含め計603人が学校などに避難している。同市では、県から災害派遣要請を受けた陸上自衛隊が救助活動に当たっている。
諏訪市は同日午前、諏訪湖がはんらんする恐れがあるとして、高島、大手、湖柳などの約6000人に避難勧告を出した。
県警などによると、上田市手塚では同日午前、道路の陥没個所から産川に転落して流された軽乗用車が見つかり、運転していたとみられる新聞配達員の小林正子さん(57)が行方不明になっている。
【写真説明】濁流でえぐられ、決壊し始めた天竜川堤防=上伊那郡箕輪町松島