梅雨前線の活発化による豪雨で、18日から19日にかけて天竜川が上伊那地方の各地で警戒水位を超えた。県によると、伊那市、上伊那郡南箕輪村の2市村で合わせて約2200世帯(6000人余)に避難指示が出され、19日午前6時50分現在、避難している人たちは2市村で合わせて約480世帯・約1300人に上っている。このほか、土砂災害などの被害も出ている。
伊那市は19日午前3時50分、天竜川沿いの地域約5000人に対し、段丘上の小中学校や屋内体育施設などへ避難指示した。想定していた天竜川の水位が超えたためで、避難勧告から切り替え、市職員が全戸を回り避難を呼び掛けた。
同日午前3時すぎには同郡箕輪町北小河内地区や伊那市西春近で相次いで土石流が発生。箕輪町では民家20戸に被害が及び、住民と消防団員が負傷した。
伊那市は避難指示のほかに、新たに西春近の約2900人を対象に避難勧告を出した。同市は災害対策本部で対応に当たっている。
同郡辰野町赤羽では同日午前7時ころ、土砂崩落が発生。民家3戸が全壊したが、住民計9人は無事救出された。
【写真説明】濁流が激しく流れる伊那市中央橋付近の天竜川=19日午前5時50分