信濃毎日新聞ニュース特集「2006長野県知事選」
知事に村井氏 田中県政6年で幕 県民「転換」選択
2006年8月 7日掲載
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 任期満了に伴う県知事選挙は6日投開票し、新人で前自民党衆院議員の村井仁氏(69)=無所属=が61万2000票余を獲得し、3選を目指した現職の田中康夫氏(50)=同=に7万8000票余の差をつけて初当選した。現職知事の落選は、長野県では戦後初めて。2期6年弱の田中県政の実績をどう評価し、今後の県政改革を誰に託すかが問われた選挙で、県民は県政の転換を選択した。

 村井氏は当選後「改革を後戻りさせない努力をしっかりとやっていく。(田中氏との)手法の違いはあるにせよ、きちんとした対応をお約束したい」と抱負を語った。

 有効投票数に占める得票率は、村井氏53・42%、田中氏46・58%。村井氏は81市町村中、長野市、松本市など13市を含む61市町村で田中氏の得票を上回った。

 2000年の知事選で前副知事(当時)を破って初当選、知事不信任決議を受けた02年の知事選では82万票余(得票率64・28%)を得て圧勝した田中氏は、県政運営の手法などをめぐり、県民の信任を失った。

 投票率は前回(73・78%)を7・80ポイント下回る65・98%。県選管は9日の選挙会で村井氏の当選を確定する。任期は9月1日から4年間。

 村井氏は6月末に立候補を表明。県から市町村への権限移譲、経済活性化などを掲げた。自民党県連、公明党県本部、連合長野が推薦し、現県政に批判的な県議、市民グループの支援も得て組織選挙を展開、終盤は支持なし層への浸透にも力を入れた。

 6月定例県会で立候補表明した田中氏は、県政改革の継続を強調。豪雨災害対応で、選挙戦前半は公務を優先。代表を務める新党日本や後援会、各地の勝手連などが活動、終盤は共産党も支援を強めたが、前回選の勢いは取り戻せなかった。

【写真説明】知事選で当選が決まり、花束を掲げ、拍手にこたえる村井仁氏=6日午後10時、長野市内


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