信濃毎日新聞ニュース特集「2006長野県知事選」
村井氏と田中氏が横一線 2割は投票先未定
2006年7月31日掲載
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 信濃毎日新聞社は30日、8月6日の投票日まで1週間となった知事選の情勢をまとめた。本社が28―30日に県内全域で行った電話世論調査と本支社局の取材を総合すると、届け出順に新人で前自民党衆院議員の村井仁氏(69)、現職で3選を目指す田中康夫氏(50)の2人が横一線に並び、激しく競り合っている。投票先を「まだ決めていない」人が2割おり、投票率の行方も含め、予断を許さない展開となっている。
 現時点の情勢では、地域ごとに両氏の強弱が異なる。村井氏は北信と中信で優位に立っており、特に衆院議員時代に基盤とした松本地域を含む中信で田中氏に一定の差をつけている。これに対し、田中氏は南信と東信で村井氏を上回る支持を得ており、中でも南信での勢いが目立っている。
 村井氏は、男女別では男性からの支持が多い。政党支持層別では、県連推薦を受けた自民党支持層、県本部推薦を受けた公明党支持層のそれぞれ6割前後を固めた。一方で民主党支持層や「支持なし」層への浸透は3割強にとどまっている。
 田中氏は、男女別では女性からの支持が多い。政党支持層別では共産党支持層の6割強から支持を受けるほか、民主、社民両党支持層、支持なし層でも村井氏を上回る。ただ、2002年の出直し知事選の同時期のような勢いは出ていない。
 年代別では各年代とも両氏が拮抗(きっこう)し、大きな差はみられない。
 投票先を「決めている」「だいたい決めている」は計78・7%。「まだ決めていない」は20・7%。決めていない割合は中信が16・7%と最も低く、北信20・5%、東信20・9%。豪雨災害の影響が大きかった南信は24・4%と高く、復旧作業などに配慮し、候補者が運動で現地入りする機会が限られたことも影響しているとみられる。また、政党支持別では、支持なし層の27・2%が「決めていない」としているのが目を引く。
 村井氏は、県から市町村への権限移譲、企業誘致などによる経済活性化、安全な県土づくりなどを掲げる。自民、公明のほか、連合長野が推薦。有力企業トップや現県政に批判的な県議、市民グループの支援を受け、終盤は集会のほか街頭での訴えに力点を置く。
 田中氏は、2期6年弱の県財政再建の成果や、県政改革の継続、循環型の経済・雇用構造などを訴える。これまでは公務で豪雨災害などに対応。後援会や勝手連、自身が代表を務める新党日本、現県政を支持する県議らの支援を受け、終盤は選挙活動に力を入れる。


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